2014年3月20日木曜日

新型アウディA4は「C」と「ÎS」相手に何をする?

  結構なペースで「暴力的」な進化を遂げているプレミアムDセグ。何と言っても大衆ブランドの突き上げがきついのなんの・・・。下手なクルマを作ろうものならボコボコに批判されてブランド自体が崩壊する危険すらあります。ティアナより豪華な内装で、アテンザよりカッコいいデザインにして500万円以内で売れ!なんてメチャクチャにハードルが高いです。

  ティアナやアテンザだけでなく、インシグニア(オペル)、フュージョン/モンデオ(フォード)、クライスラー200、レガシィ、カムリ、アコード・・・。どれもプレミアムブランドにしてもいいくらいにレベルが高くなってます。B◯W3◯リーズってこの中で比べたら完全に中位以下で埋没するレベルじゃないですか・・・。このクルマよりも新しいレクサスISや今度登場するメルセデスCクラス、そしてインフィニティQ50(スカイライン)は、この中から完全に抜け出すための「絶対的な個性」を意識的に付けようとしています(いちいち語りませんが3台ともに相当にハイレベルになりました)。

  さて今年?来年?にFMCを迎えると言われるアウディA4も、いよいよ試験走行のクルマも目撃されて順調に完成しつつあるようです。現行A4は特に悪いクルマということもないのですが、やはりアウディに特別の愛情を感じているユーザーしか寄ってこない、「見るべきものが少ない」クルマだったと思います。なんか悪口みたいになっちゃってますが、500万円するクルマだとしたら当然然るべき批判です。悪くはないけど、「これだけ」の水準では買っても「(価格なりに)楽しくない」だろうというのがA4に対する率直な評価です。

  良くありがちな、「3・C・A4・IS(先代)」の4台で比べたならば、ベースグレードは極めて大衆車的なエンジンのオンパレード。これまでは各ブランドからこのクラスは「こんなもんでいい」と舐められていたわけです。そのしょっぱいエンジン同士で比較したところで、「どんぐりの背比べ」で何ら価値なんて生まれないわけですが、新型になった「IS」も「C」もエンジンには全くと言っていいほど手が加えられていないんですよね・・・。「3」も「A4」もおそらくは同じ路線を進むのが確実なので、もはやエンジンで語るのはナンセンスなクラスになってしまいました。唯一の例外といえるのがIS350でしょうか・・・。他のブランドはエンジンに拘るなら1000万円クラスのM、AMG、S/RSにしておけという明確な意思が示されています。

  なのでこのクラスにとってこれからの改良点は、どれだけ「エンジン以外」のところでポイントを稼げるのかが大事で、デザインは必須。あとは安全・快適装備をしっかり盛り込み、トータルで一体感のあるコンセプトに落とし込めるかどうかが勝負どころです。これだけやる事が多いとエンジン載せ換えてる場合じゃないな・・・。そして次期アウディA4の予想としてはエンジンはそのままでスペックも変わらず!デザインもおそらく変わらず!じゃあ何で勝負するの?「ボディを軽くする」「インターフェイス&ネット接続」「内装デザイン」・・・結構限られてしまうのです。噂される「劇的変化」なんて起こるのか?ちょっと疑問が残るところです。

  




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2014年3月13日木曜日

アウディA3セダン 「ジェッタ後継&新世代カローラが絶賛発売中」

  「六本木カローラ」なんていう言葉はもはやクルマオタクの暗号程度にしか通用しない言葉になっているようで、年配の人におそらく知っているだろうと使ってみると、これが見事に通用しません。誰にだって忘れたい過去があるのかもしれません。それになによりそんな言葉は幻であって、昔(E36)も今(F30)も六本木界隈に出没したら失笑しか買わないクルマだと、とある偉い評論家が歯に衣着せぬ口調で吐き捨てていました。昔も今も「イオンモール・カローラ」でしかなかったようです・・・ってそれじゃあ本物のカローラと何も変わらないですね。

  あたらしい「〇〇カローラ」になりそうなクルマをいよいよアウディが日本に上陸させました。「アウディA3セダン」はゴルフ系統のクルマで久々の3BOXスタイル。カスタムベース車として熱い支持を得ていたジェッタがラインナップ落ちしていたので、割とお手軽に抑えられた価格と相まって再びアウディが脚光を浴びる起爆剤になりそうなモデルです。トヨタ86よりもアウディA3セダンをカスタマイズしたほうが奥が深そう!とかいう御仁も現れそうな勢いで、さすがはVW!トヨタの弱点をよく分析しています。

  やはりプレミアムブランドのクルマというのは熱いテンションとともにクルマが売れていくと思うので、高級車イメージに程遠いハッチバックではいまいち火がつかないですよね。メルセデスもやはりAクラスより断然にCLAの人気が高いみたいですし、BMWにも1シリーズセダン作って新たな「〇〇カローラ」に名乗りを挙げてもらいたい。

  アウディは新型TTのデザインも発表されましたが、かしこまってというか期待させておいて、「どこが変わったの?」レベルとは・・・。どこかで新しいTTは宇宙船!?ステルス戦闘機!?みたいなデザインだろうと無意識のうちに予想していた自分のマヌケさに気がついてショック受けました・・・。レクサスISが目一杯背伸びして、あのデザインで登場して、感激で心が躍った私はやはり田舎ものなんですね。さすがはVW!ここでもトヨタの「逆」を見事に突いてくる!

  アウディA3セダンも同じです。やはり「〇〇カローラ」を狙う?だけあってこだわりの地味さを発揮してます。本家カローラはもはや「ヴィッツセダン」でしかないですから、日本人のイディアとしての(良いイメージの)「カローラ」に一番近いクルマかもしれません。

  VW/アウディのカスタマイズベース車としての人気も高まりそうな予感。TTやザ・ビートルを選ぶ最大の理由が「清潔感」だと思うんですよ(未確認)。そりゃTTを極彩色に塗りたくったり、金色のホイール履かせたりすれば限りなく下品になりますけど、ちょっと弄ればすぐに「下品」になる他ブランドと違ってVW/アウディはどこか「踏みとどまる力」を宿しているように感じます。

  日本のユーザーが待望した「ジェッタ後継」&「新・〇〇カローラ」。これはアウディの新しい金鉱脈になりそうな予感がプンプンします。TTもA3セダンも「好きにカスタマイズしてくれ!」というVW版のトヨタ86的な戦略が秘密裏に進行しているようです。



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↓BMW4シリーズを蹴散らして、この雑誌のニューヒーローになれるのか?

2014年3月6日木曜日

アウディS1はVWグループの神髄

  果たしてアウディがこのジャンルに参戦する「大義名分」があるのだろうか? そんな思いが頭を過ります・・・。実際はそれほどには売れていないのですが、日本ではもやたらと新型車リリースが多いジャンルが「Bセグスポーツ」で、VW・PSA・ルノーが日本の引退世代に必死のアピール合戦を繰り広げています。特にグローバルでの絶不調が伝えられるPSAの新型車投入ペースは相当なもので、Bセグ担当のプジョー208の高出力モデル「GTi(200ps)」や「XY(156ps)」は欧州価格よりもかなり安く設定されていて、トヨタが限定発売したヴィッツターボ(270万円)と比べても、断然にお買い得というあり得ない状況になっています。

  プジョーは内外装も日本人好みに徹底的にリフォームした艶やかな「GTi」と「XY」で、先を行くVWポロの「GTI」と「ブルーGT」を追撃していて、価格とデザインにこだわった戦略が功を奏して互角以上の勝負に持ち込んできています。シートや剛性感、そして右ハンドルの作り方を評価すればポロを選択する訳ですけど、このクラスのクルマにとって重要なことはもっと他にあるというプジョーの言い分もよく分かります。「軽快さ」と「ワクワクするデザイン」を全く評価の対象にせず、PSA車をボロクソに言う沢村慎太朗という評論家の意見を無視すれば、ポロじゃなくて208を選びたい気分です。

  しかし世界各地でPSA殲滅作戦を遂行しているVWが、ポロが苦戦している状況をそのまま放置しておくはずもなく、PSAを徹底マークするかのように208の「GTi」「XY」の発売に合わせて、ザ・ビートルターボ(211ps)を急遽日本にも持ち込んで「ドロ沼の消耗戦」になってますね。「日産パワー」を追加したルノーも「ルーテシア・ルノースポール」をこのマニアックでカオスな市場のど真ん中に投下してきました。

  全般にレビューを見ていると、MT勢のプジョーが好評価で、DCT勢のVWとルノーは低めの評価が出ているのですが、女性ユーザーを惹き付けるのでDCTが有利という見方もあります。実際に買う側の大部分を占めるであろう引退世代は割とMTを好むし、年齢の高めの女性もまたMT愛好家が多いという説もあります。まあ分かれていることは素晴らしいことです。さらに言及するとPSAのATは未だに評判が悪いですので、MTのみの設定は極めて妥当な好判断。このクルマはBMWと共通の1.6Lターボを使います。棺桶ボディにATのみのBMWではパワー不足で良さがまったく分からないですが、1200kgの軽量ボディと6MTならば意味合いもだいぶ変わってきます。BMWミニと同じと言えば同じですけど。

  そんなこんなで欧州の「大衆」ブランドがお手軽?な価格で競っている市場に、なんだかただならぬ「成金」の匂いを漂わせて、アウディS1が今年中にも日本に導入されそうです。CG大賞を受賞したA3がゴルフの影に隠れてまったく売れず、絶不調を極める日本のアウディを救うために急遽作りました!といった感があります。こういうクルマは質実剛健な欧州では売れないので、東アジア市場ばかりを見つめて作るそうなんですが、まさにアウディ・ジャパン待望のモデル第2弾です(第1弾はA3セダン)。

  カオスかもしれないですが、なかなか健全な市場だったのに、230psの決定版的なクルマを持って来ることで競争原理が根本的に覆されてしまいそうです。プジョーが手を出せない余裕のスペックを誇る「2Lターボ」はVWグループのジョーカー。しかも極めつけは日本人が弱い「ハイエンドブランド」の安売り!実際に日本価格がいくらになるかわかりませんが、400万円前後で「S」が買えるなんて!という話題沸騰が確実な状況です。メルセデスが「AMG」を600万円台で売り出し、BMWも「M」チューン(M135iなど)を500万円台で出すなど、最近のドイツブランドの定番の販売戦略です。

  今やメルセデスもBMWもアウディもブランド価値はだいぶ低く収まっていて、新型発売と同時に笑えるくらいに安い「新古車」が続出して、当然ながら中古車の値崩れが止まらないのですが、それでも「AMG」「M」「S」が付けばかなり踏みとどまるだけの威厳はまだまだあります。AMGは一旦半額まで下がるけど、そこから底堅い。2000万円が1000万円になってそこから下がりにくいのだとか・・・。そういう意味で「AMG」「M」「S」はベースブランドよりもお買い得と考える人もいます。

  小型車の巨人VWの技術が詰め込まれ、ドイツプレミアムの新興勢力アウディの「S」が刻印された、「アウディS1」は多少価格が高くても注目すべきクルマですね。アウディ・ジャパンの窮状を考えると、350万円程度の大バーゲンもあるかもしれません。日本メーカーにもカタログモデルで参入してほしいですね・・・。軽く弾き飛ばされたCR-Zの仇をとるべくホンダなんかに頑張ってほしい。そしてホンダに個人的な恨みもあるであろうスズキにもスイ=スポの進化形を期待したい。マツダは新型デミオで必ず「何か」やるだろうけど・・・。



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