2013年8月8日木曜日

ポルシェがミドルセダンを作ったら・・・

  日本メーカーの新型ミドルセダンが次々と登場し、かなり盛り上がりを見せている。いよいよ日産スカイラインもFMCを迎えるが、どうも盛り上がりの割にはクルマの仕上がりは今一歩といった印象だ。大きく進化したのはレクサスISだが、先代の設計が完全に時代遅れのコンパクトサイズだったので、そのマイナスからライバルを追い越すほどの振り幅も価格を考えれば妥当といったところだ。やはりいずれのクルマもメルセデスとBMWという前提があり、その範疇を超える会心の一台とまでは至っていない。

  もしポルシェがこれらのライバルとなるミドルセダンを作ったら、どんなクルマができるのだろうかとたまに空想することがある。既に大型セダンのパナメーラがあるが、これはあくまでフォーマル・シーンで使われるフルサイズセダンであり、日本の道路事情などを考えると、とてもポルシェが誇るドライバーズカーのイメージとはほど遠くなってしまう。もちろんそれ以前に高価すぎて手が届かないというのもあるが・・・。

  車幅を911と同等(1800mm)程度に抑えて、全長も4700mm程度のミドルセダンを本気で作るなら、パナメーラとはまた違ったポルシェらしいスポーティなセダンが作れるのではないかということである。ちょうど新型レクサスISくらいのサイズで絶賛されているIS350Fスポーツを超えるクラス最高のスポーツ性をポルシェが追求したならば、ミドルセダンの可能性(需要)はまた再び急激に高まるのではないだろうか。

  ISにしてもスカイラインにしても最上級モデルは大排気量のV6エンジンを搭載しているので、300ps超という出力を考えてもやはり重量があり過ぎだと感じてしまう。ポルシェならばそんな設計にはしないだろう。スポーツカーに使っている3Lのフラット6のエンジンを積むことで軽量化を図りNAの265psで車重1500kg程度で抑えるくらいのことは朝飯前だろう。アウディA4で1510kgまで達成できているから、アウディTTなどに使われる軽量化技術を持ち込めば1400kgくらいまで可能だろう。

  もはやアウディだかポルシェだかよくわからないが、VWグループの力を総動員すればup!やゴルフといった世界戦略車だけでなく、日本車セダンの息の根を止める恐るべきクルマが作れてしまうことになる。もちろん日本のセダンの盛り上がりは必ずしもスポーツ志向ではなく、むしろHVの導入による良好な燃費が牽引している部分もあるが・・・。

  レクサスIS350とインフィニティQ50(新型スカイライン)が今後、北米で好調なセールスを記録するようなら、いよいよVWグループにとっての未開の大市場と言える北米に意欲的なモデルを投入することも十分に考えられる。2万ドル市場ではパサートがじわじわと浸透しているようだが、3万ドルオーバーの市場ではアウディクワトロが大苦戦している。このAWDセダンとはひと味違ったプレミアムスポーツセダンを投入するならば、当面のライバルはIS350とインフィニティQ50になる。ぜひこの2台を性能面でも価格面でも脅かす新型車の登場を期待して待ちたい。



 

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